宮城県七ヶ浜町へ

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「日本」という国に大打撃をもたらした3.11 東日本大震災。
発生から1年と2ヶ月後、宮城県七ヶ浜町に瓦礫掃除に行ってきました。

七ヶ浜町?訪れる前は「どこ...?」という感じでした。
震災時には、近隣の石巻や塩竈、仙台空港などの被災状況が知らされる中、
七ヶ浜町の情報は、個人的には触れる事がなかったと記憶しています。

七ヶ浜町は、仙台の東北20キロ程に位置していて、
周囲を太平洋に囲まれている小さな半島です。

ぐるっと太平洋に囲まれた七ヶ浜町。
震災時には15メートルの津波が押し寄せたそうです。
写真は、海岸沿いのおそらく公園だったのではないかと思われる場所です。
奥が海で手前が町です。そして、中央の建物は、おそらく公衆トイレ...かな?

町から海岸までの遊歩道的な部分はごっそりなくなってしまっています。
海岸沿いの住宅も壁や基礎を残して全て流されていました。
表札は残っているけど建物がない...そんな状態です。


丸4日間、田圃の瓦礫掃除・測溝の瓦礫掃除をしました。

知り合った方には、もう100日以上こちらに滞在している方や、
今年4月に現役を引退し、その足で七ヶ浜町にきた方、
地元がここで、学校を休学して、あるいは仕事を辞めて戻ってきた方など、
本当に多くの人の「人生」に影響を与えた3.11です。

初日は、99人のボランティアが集まりました。
スタッフの方曰く、「全盛期に比べると少なくなっている」との事でした。
人数だけで見ると、二日目が64人(減った...)、三日目24人(のぉ...)、四日目280人(すげぇ)。という感じです。

休日には、ボランティアツアーバスが来て、たくさん人が集まるようです。

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作業の分担は、朝のミーティングで決定します。
そして、恒例(らしい)ラジオ体操で体と心をほぐして現場に向かいます。
東北弁(なのでしょうか...?)のかけ声がスピーカーから流れると、笑いが起こります。

正直、最初はどう立ち回ったらいいか分からず様子見でしたが、
スタッフの方や、長期滞在されてる方(もはやヌシです)のフォローが親切で、
すぐに打ち解けられました!
すれ違うときの「おつかれさまでーす」がこんなにも心地いいとは!

境遇も違えば、出身地も違うし、言ってしまえば生活文化の違う「個性」の集まりだけど、目標がハッキリしていることはお互いの距離を縮めますね。

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作業は、至ってシンプルです。
目に見える範囲の瓦礫達を、燃える、燃えない、細かいの大きなのに区分しひたすら拾います。
それを土嚢袋に回収して一カ所に集めます。最終的には、トラックで一括収集するのではと思います。

とにもかくにも、ひたすら拾い続けます。

中腰でずっと地面を見ているので若干腰が痛い...完全に運動不足を露呈している自分がいるのですが、体と相談して休憩を適当に入れつつの作業です。


その後、重機が入り、土壌の天地返しを行い改めて見える瓦礫達の回収。
これを、幾度も繰り返してキレイにした後、塩抜きをするそうです。

今回掃除した田圃が今年試験的に作付けすることになったそう!
めでたい!よかった!うまくいくといいなぁ。
...という、自分たちが動く事でどんな事が起こるのか...という事も知らせてくれます。
これでやる気倍増ですね。

大変だったのは、三日目の測溝掃除。いわゆるドブ掃除です。
浜の砂で詰まった測溝は水分を含みとても重いです。
そして、あらゆるものが隠れています。
割れた瓦や窓ガラス、釘がむきだしの柱や壁などの家関連。
サッシやハンマーなどの道具類、本や服、靴などの生活雑貨。
そして、扇風機やDVDプレーヤー、ラジオやビデオデッキなどの家電製品。

作業中、一人の方が柱の釘を踏んでしまいました。

装備は万全に。

そして、危険と思ったら誰かの助けを借りる、意見を聞く。
普段、できているようで、出来ていない事...
抱え込まない事が重要です。

個人的には、CDやお守り、バッグや洋服など、
使われていた頃をイメージできるものが出てくるとこみ上げる気持ちが...。
バックなどは「その人」にとって大事な物が入っていないか確認してから、
集めて行きました。

期間中は、隣のサッカースタジアムの駐車場を借りて車中泊です。
結構な人数がここで寝泊まりしていました。
活動は15:00には終わり、16:00には解散となります。
ここからの1日が長い...です(笑)。

自分は、仕事も持ってきていたので、
PCを持って隣の多賀城の町へ通い仕事をする日々でした。
WiFi持ってればなぁ...と思いました。

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食事は、基本的にセルフサービスです。

近くにスーパーがあり、食材を買って自炊したり、惣菜を買い出して
車中で食べたり、みんなで集まって食べたり(&少し飲んだり?)と。。
これが、本当に充実しています。

連絡先を交換し合ったり、出身地の話をしたり、作業に対して意見交換をしたり、
これまでの活動を話したり...みんな違う境遇ですので、話すネタがつきる事はないです。

ボランティアだからと言って、過剰に被災地・被災者に遠慮したり、
ちじこまっていては、早い復興なんてできないと思いました。
目標は「復興・復旧」。これを目指して、今何が必要か、今何をすべきか...
自分で考え行動する。


という4日間。帰りたくなかった!本当に。
また、時間を作って七ヶ浜町へ駆けつけたいと思います。
そして、活動中に知り合った方ともお会いしたいです。


自分が出来る事。

自分で考える事。

相手の気持ちに立つ事。

当たり前の事ですが、改めていろんな事を思い直した日々でした。


ありがとう。七ヶ浜町の皆さん。
そして、少しでも自分とお話をしてくれた皆さん。


浜を元気に!七ヶ浜町復興支援ボランティアセンター