2027年、人類に子供が生まれなくなった。
世界最年少の19歳の少年も殺害されハタチ未満の子供が世界に一人もいない。
そんな世界で子を身籠った女性を命がけで守る男のお話。
奇想天外な設定ですが、その設定から、登場人物達が何を考え、どう行動するか、そして自分ならどう行動するか。結構「頭」の疲れる映画です。
撮影技術的には、カメラの長回しが話題になった映画のようです。
確かに最後の戦闘シーンはすごいです。派手にすごいというより地味にすごい。
テロ軍と正規軍との激しい戦闘の中、彼女をヒューマンプロジェクトへ引き渡すことに必死の主人公に泣けました。
でも、個人的にはそのヒューマンプロジェクトが謎です。
ひいては「なぜ子供が生まれなくなったか」。
そこが社会へ問いかけるメッセージなのかと思って少し期待していた部分もあり、
すごいんだけど最後に疑問が残ってしまうちょっと消化不良な気持ち。
ですので、是非続編を観たいです。
助かった彼女の子供が成長して自分の生誕の顛末を知り、世界の状況を知り、
その究明&救済に立ち向かってほしいのです。
久しぶりの「テレビに釘付け」。
過去に戻って未来を変える。
「できたらいいなぁ」と、たぶん誰もが一度は思ったことがある事ですよね。
それだけにテーマとしてはとても「古典的」なのだろうけど、
物語の筋書きといいテンポといい映像といいよく作り込んであります。
何回過去に戻って未来を変えても、結局誰かが不幸になってしまう事に主人公も追いつめられていきます。愛する人のために、自分が一番守りたかった過去をも犠牲にせざるを得ないと決断した最後のタイムトラベルが悲しいし切ない。
瞬間の選択やなにげない言葉、挙動が人間の未来をこんなにも左右すると思うと、
もっと真剣に一瞬一瞬を生きないとね...と思わされます。
とはいえ、ちょっとした所作でこんなに極端に不幸になっちゃう
危なっかしい人ばかり周囲にいる人間なんてなかなかいないと思いますが...。
通常エンディングとハッピーエンディングの2つが用意されています。
個人的にはハッピーエンディングの方は、少し甘いというか、
この映画から感じる不幸度から比べるとずいぶん柔らかいので
通常エンディングが好みです。